9月の着物の装い秋単衣(ひとえ)
暑い日が続きますが、朝晩に秋の気配が漂ってきました。
さて、着物には衣替えというルールがあり、
7月8月の薄物に替わり、9月は透けない生地の単衣仕立ての着物の季節です。
今回は、9月以降に着たい秋の単衣着物について書かせていただきます。
もうすぐ9月、秋の単衣着物のすすめ
裏地の付いている着物を袷(あわせ)と言い、
裏地の付いていない着物を単衣(ひとえ)と言います。
単衣は6月と9月に着ます。
秋に向かう9月の単衣を「秋単衣」と言います。
着用期間は9月1日から9月30日くらいまでが目安です。
着物のおしゃれは季節の先取りを大切にしているので、暑さに向かう6月は薄い涼しげな色が好まれ、
少し濃い暗い色の生地に裏地を付けないものが、いかにも9月の単衣らしく見えることが多いです。
袷と単衣は、平安時代以降の習慣の衣更え(更衣)を目安に着分け、
夏は6月1日から9月30日までを目安に、単衣仕立てを着ます。
さらに6月と9月は単衣、7月と8月は透ける薄物の単衣の着物になります。
現代の気候では、9月はまだ暑い季節ではあるのですが、
着物の決まりごととして、「そうなんだ!」程度に知ってください。
着物は着ていく場所によって、着物を変えますが、今はフォーマルの時はルールに従い、カジュアルな時はそんなに厳密でなくても大丈夫です。
フォーマルな場のとき <礼装・準礼装>
式典や茶席などの場での礼装・準礼装は、その時と場所、立場に相応しい装いをすることが求められることが多いです。
ルールに従い9月1日から単衣の着物にしましょう。
そして、10月1日からは袷に切り替えます。
趣旨に合わせた装いを心がけましょう。
カジュアル・気軽なお出かけのとき <お洒落着・日常着>
9月はまだ、残暑が厳しい日もあります。
カジュアルな集まりやお出かけの場合は9月9日の重陽の節句まで夏物を着ても良いとされていますが、
その時も色合いは秋らしくしたいものです。
それ以降に単衣と考える方が多いようです。
秋単衣の着用期間はルールでは9月30日ですが、今では10月に単衣をお召しの方も、多くいらっしゃいます。
カジュアルなシーンには無理をして袷をお召しにならず単衣を着て快適に過ごすとお互いのためによいでしょう。
秋の単衣の着物
四季のある日本で着物を着るようになると、季節の移り変わりに敏感になります。
着物のおしゃれは季節の先取りと言われています。
春にも秋にも着ることができる柄行きは重宝ですが、秋を感じさせる絵柄の秋単衣はとてもおしゃれです。
秋単衣はやや沈んだ色を選ばれると、深まりゆく季節にふさわしくなります。
6月に着る夏単衣が、夏へ向かうような明るい色を選ぶのに対して、9月に着る秋単衣は、こっくりとして涼やかな秋の先触れを目指してみましょう。
芒や女郎花、桔梗、萩などの秋草は、残暑に涼やかさを吹き込む代表的な絵柄です。
お月さまや、菊、色づき始めた銀杏や紅葉も素敵です。
紗合わせなんて秋の始まりにとびきりおしゃれですね。
季節限定柄を気軽に借りられるレンタル着物は小物も揃っていますし、季節を取り込みたい時にも強い味方ですね。
hataori blog by Mami Nakamura 中村麻美 / 9月の着物の装い秋単衣(ひとえ)