着物文様図鑑 vol.8- 市松
繁栄、安定-市松文様
第八回「市松」
市松文様
市松（いちまつ）文様は、日本の伝統的な幾何学模様の一つで、黒と白または二色の正方形を交互に配置し、チェックパターンを作り出すデザインが特徴です。シンプルでありながら、その規則正しい配列が洗練された印象を与えます。最近では有名な漫画原作のアニメの主人公が来ている半纏の柄に使用されていることから街でも多く目にすることがありますね。
市松文様の持つ意味
市松文様は均等に配列された正方形が無限に連続する様から、繁栄や安定、永遠性を象徴します。また、白と黒、または他の二色の対比は、陰と陽、男性と女性、天と地など、生活の中の二元性や対立・補完関係を表します。
市松文様の歴史
市松文様の名前は、古代ローマの格子模様に由来し、似たようなデザインが見られるチェッカーボードからきています。日本では、中世から見られ、着物や帯、陶磁器などの装飾に使われてきました。
市松文様の着物を着る適した季節は
市松文様はそのシンプルなデザインから季節を問わず着用することが可能です。しかし、特に初夏の涼しげな印象を与える浴衣や夏着物に良く見られます。また、その規則正しさからフォーマルな場でも着用され、新年やお祝い事にも適しています。
