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2017-08-20

「浴衣レンタル」のお話

浴衣レンタルを開始しました。


今年の夏もあっという間にもう終盤、皆様いかがお過ごしですか?

本日、都内では神宮の花火大会が盛大に行われ、たくさんの人の浴衣姿を見ることができました。
雨が続いていただけに、今日は無事に実施されて本当によかったです。


さて、この夏、急遽ではありましたが、hataoriでも浴衣レンタルを開始しました。

突然の浴衣カテゴリオープンとなりましたが、それでも多数のお客様にご利用いただき、浴衣のご予約をいただくたびサイトオープン時の初心に戻ることができ、改めてお客様の有り難さを痛感する今日この頃です。

さて、弊社としても「ネット浴衣レンタル」の需要があるのかないのかトライアル的な意図も半面ありつつ、呉服業界とは切っても切れない「浴衣」を「レンタル」というhataoriの一貫したサービス内で提供するという今回の試み。

スタートしてみての感想、というか個人的な見解と今後への期待を今日は少し書かせていただければと思います。

お暇な方は涼を取りながらしばしお付き合いください。

浴衣をレンタル? 浴衣は買うものでしょう。


「浴衣をレンタルってなんか想像できない」
「浴衣なんて買ってもそれほどしないでしょう?」

これ、ほとんどの人の意見だと思います。

事実、僕も半分そう思っていますし(値段が高い安いの話は後ほどするとして)、実際に浴衣をレンタルしているという人は全体の1%もいないのではないかと思います。

レンタルするとしても、京都や浅草などの店舗で一日街歩きレンタルの観光客需要くらいのもので、ネットレンタルを利用している人の割合など全国規模で見れば限りなく0%に近いのが現実だと思います。


ーではなぜ販売ではなく、レンタルでやるのか。


これは単純な根拠で、着物のこの十年間の遷移が購入(販売)からレンタルに移行していったように*、呉服の一種である浴衣も近い将来、購入からレンタルに割合が傾向していくことがあり得るし、あり得るどころかそれが自然な流れだと感じているからです。
(*一概に着物の小売市場全体の話ではなく、ここでは成人式振袖や卒業式袴、結婚式使用の訪問着などに顕著に見られる昨今のレンタル需要の台頭が必然であるということ)

とはいえ、浴衣は安価で誰でも手に入れられるし、着物のように敷居を感じることもない。夏のファッションのレパートリーのひとつとして誰もが馴染みのあるアイテムであり、着物とは全く別物だ!

今、そんな声が速攻で飛んできたような気がします。

たしかに、これに関しても僕もほぼ同意見です。
むしろ着物と同カテゴリで浴衣を扱ってしまうと、呉服業界全体をさらに衰退させる事態にもなりかねない。
浴衣は手頃でラフだからこそ良い、その通りです。

しかし、ネットや量販店などに多く見られる超安価で手に入れられる浴衣は、そろそろ昨今の、特に若者の需要や欲求とは逆行しているように感じるのです。

浴衣とSNS


SNSの異常な流行は、流行を一瞬で飛び越えて瞬く間に日常となり、誰もが毎時毎分、自己顕示し、差別化し、アイデンティティを楽しみ、承認欲求する時代。

殊に浴衣とインスタグラムの相性は抜群で、本日時点(2017年8月20日)での「#浴衣」キーワード件数:1,352,469件は、通年ワードである「#着物」:1,312,312件を追い抜いてしまっているほどです。これは、浴衣と若年層との親和性をより強く感じさせる数字です。

そんな中で、誰でも手に入れられる3点セット3,980円、4,980円といったような大量生産型の浴衣ではなく、みんなが着ていない「本物」のお洒落な浴衣を、賢くリーズナブルに手に入れる→可愛い(カッコいい)写真をインスタにアップする→より多くのいいね!やコメントを集める→新しいファン(フォロワー)を獲得する→またインスタが楽しくなる。

そのためにインスタにアップする浴衣は、できることなら友達とデザイン被りすることなく、少しでもお洒落に可愛く良いものに見せたい。

これがSNSスマホ世代の賢い消費行動だと個人的に分析しています。

では、高級浴衣の販売(購入)はどうか。


さきほどの安価商品ではなく、誂え品やプレタ品でも一着数万〜十数万円するような高級浴衣の販売はどうかというと、百貨店や有名呉服店では1クールしかない販売期間にも関わらず、全体売上の3〜4割を占める店舗もあるというほどの堅調な主力商品と言えます。また、浴衣小売市場のうち18%が百貨店の売上だというから、百貨店においては着物よりも約2倍のシェアを誇る商材です。(着物小売市場の百貨店シェア率9%)

しかし、ターゲット層の拡大という面では課題が残るのも事実です。こうした商品の購入層は30代〜50代、それも着物や浴衣がおそらく初めてではない、いわゆる既存市場ユーザーが大半であり、ひと夏の思い出作りに新規ユーザー、特に若年層が飛び込むには少し高い舞台だと言わざるを得ません。

また、せっかく高い浴衣を買ったとしても保管やメンテナンスの仕方も分からなければ、自分で着付けもできない、何より来年になればまた新しい浴衣を着てお祭りに行ったりインスタに写真をアップしたりしたい!ひと夏に二度三度お祭りに行くなら、尚更同じ浴衣では写りたくない!

これは限りなく女子の毎年の水着の購入行動に近いと思います。海やプールでアップする写真を去年の水着では写りたくない。というよりもはや写れない!だから年に数回またはたった一度しか着ていない水着を箪笥に眠らせ、また次の年には新しい水着を買ってしまう。

大多数のユーザーにこの心理が当てはまると仮定すると、水着や下着のレンタルは物理的、生理的に難しく購入するしかないけれど、浴衣であればレンタルやシェアは可能で、ユーザーにとっては金銭的、品質的、効率的なメリットも多く、レンタルが成立する市場ではないかと思うのです。

「浴衣レンタル」の立ち位置


と、ここまで散々自分たちのサービスを無理やり肯定しまくってみましたが、

大多数のニーズを生み出した3点セットで”サンキュッパ”といった超安価設定とその流通量の実現、

その反対にそんな中でも高級浴衣販売でしっかりと本物志向のファンを掴み成果を挙げる百貨店や呉服店の貫禄、

そのそれぞれの企業努力・業界努力は並大抵のものではなく、衰退の激しい呉服業界をどうにかしなければいけない、という職人や企業人の熱意が、時には妥協や譲歩をして試行錯誤しながら、開拓し作り得た夏の市場なのだと認識しています。

そうした流れに敬意を払いつつ、今回始めたhataoriの「浴衣レンタル」は、その両者のちょうど中間にあたるサービスなんだと、この記事を書きながら勝手に腑に落ち、自分自身で納得してしまいました。


より利用しやすい金額帯で、より本物に近い浴衣を提供する。その代わり3泊4日の「レンタル」になるけど許してね。的な。

だけどメンテナンスもこっちでばっちりやるから面倒なこともないし、購入してもどうせ来年着ないなら、1シーズンに2〜3着違う浴衣をレンタルで楽しんでみてよ!っていう。

うん、やっぱり、浴衣もレンタルする時代がいつか必ずくると思います。


でも、それにはレンタルを提供する側が レンタルするに値する浴衣を用意すること が当然のことながら絶対条件です。

浴衣の質、デザイン、素材、メンテナンスレベル、利用のしやすさ、宅配リスクの排除、適正な価格設定、さらなるユーザーメリット、などなど、商品もサービスも常に向上させていかなくてはいけないと当たり前のことですが改めて肝に銘じました。

浴衣とは、呉服とは、伝統衣装とは、、


そして最後に、花火大会や夏祭りはどうか減ってほしくないものですね。浴衣含め、呉服という伝統衣装は、伝統行事なしには成り立ちません。ジタバタみんなでもがいてみても、新しい需要開拓なんて文化レベルの規模にはまず到底追いつけない。呉服は伝統行事ありきの伝統衣装なんだ、というのが現時点での個人的な認識です。

花火大会の決行中止をお決めになられているお偉い様方々、今後ともひとつどうぞよろしくお願いいたします。


以上、こんな感じで、この夏hataoriに加わった新カテゴリ「浴衣レンタル」の個人的見解を終了したいと思います。

ちなみに来年は、量も質も今年の何倍もの浴衣を用意し、本格的に浴衣商戦に参入させていただきたいと思います!新参者にお手柔らかにご指導お願いいたします。


ここまでお付き合いいただいた数名の読者の皆様、ご清覧ありがとうございました。
ECサイトにアップする内容ではない気もしましたが、新しい取り組みや着物業界のために少しでもなりそうな内容であれば、そのきっかけとして今後もどんどん取り上げて勝手に投稿していこうと思います(笑)

もう今年の夏もあと何日かで終わってしまいますが、来年は浴衣をレンタルしてお祭りに出掛けてみてはいかがですか?

なんて。


#浴衣レンタル




hataori blog by Yozo Hirano 平野 陽三 / 「浴衣レンタル」のお話

著者プロフィール

平野 陽三
hataori 代表 平野 陽三
ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイで撮影・フルフィルメント部門に従事した後、CM制作会社の制作を経てhataoriを立ち上げる。