着物のお伴・簪(かんざし)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日はお着物のお伴の「かんざし」についてお話します。
お正月には一般的に「初釜」といって新年を寿ぐお茶会がございます。
私の遠州流茶道では「点初め(たてぞめ)」と呼んでいます。
1週間で1000人位の方が全国からいらっしゃいます。
遠州流の美意識は「綺麗さび」と言われるように、「わびさび」につや、明るさ、豊かさを加えた大変華やかなものです。
お茶会では派手なかんざしなど、金物のものは落下した際にお道具を傷つける事がございますので、避ける事が多いです。
しかし、点初めなどの華やかなお茶会では、御髪に華やかな花飾りをつけるのもの一つの楽しみです。
さて、今年は「つまみかんざし」にこだわっております。
「つまみ細工」とは江戸時代から伝わる技法で、薄絹の「羽二重」を正方形に小さく切り、これを摘んで折りたたみ、組み合わせることによって花や鳥の文様をつくる東京都指定の伝統工芸です。
これを髪飾りに使っています。
私が使っているのは、絹にこだわらず、色んな質の木地をつかっています。
そうすることで、出来上がりの感じが全然違って、それもまた目的によって選ぶ楽しみとなります。
現在は、着物を着る機会が減っていくのと同時に、つまみ細工の需要も減少、同時につまみ細工職人も減っているそうです。
そんな中、私の友人がつまみ細工を作ってくれています。
https://www.instagram.com/ohana.japanofficial/
画像はohana.japanofficialより引用
本来つまみ細工は材料が羽二重等であるうえ、糊付けで加工している為、保存には向かず、江戸時代から続く日本の伝統文化が消えてしまうのも現状です。
そんな中、私とほぼ同年代の友人がつまみを作っているというのは、伝統をつなげる仲間として嬉しく思っています。
つまみの技法は主に二種類が基本の技法になります。
丸みのあるふっくらした特徴の丸つまみ。
柔らかく優しい雰囲気です。
一方で剣つまみは、すっきり細く尖った花弁があるのが特徴です。
剣つまみでは一輪の花弁の数を増やすことが出来ます。
つまみ自体は花だけではありません。
花鳥風月色んな表現が出来るそうです。
つまみかんざしをつける事で、女性としては気持ちが上がります。
着物を着ないと付けられないと思われる方もいますけれど、そういう方は、つまみのストラップなど付けてみるとちょっと身近に、そしてちょっと素敵女子へ近づけるかもしれません。
外見だけを整えるのは違います。
しかし私たち女性は外見を整える事で、そのパワーをもらい気持ちも上がります。
着物への第一歩につまみ細工にトライしてみてはいかがでしょうか。
ストラップとしても。
お茶会で他の人と草履が間違わない鼻緒とめとしても。
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hataori blog by Sosho Kobori 小堀宗翔 / 着物のお伴・簪(かんざし)