デジタルプリントで着物を表現すること
こんにちは。
着付け講師と服飾デザイナーをしています中村麻美です。
hataoriさんブログには私の着付け講師以外の顔、
前回はファッションデザイナーについてだったのですが、今回は着物デザイナーについて書いてみます。
デジタルプリントの着物への反映
私はMarMu(マーム)という着物ブランドを東京拠点に、
グラフィックデザイナーのamuco.とファッションデザイナーの私の二人で2015年からしています。
MarMuの絵柄表現方法のメインの一つ、デジタルプリント。
デジタルプリントとはインクジェットプリンターという機械で染めた生地や技法の事です。
インクジェットプリントの印刷技術をプリント捺染に応用したもの。
日本の会社のプリンター、インクを使ったジャパンテクノロジーの一つで日本が世界でもトップレベルの技術を持っています。
私たち MarMu は顔料プリントや転写プリントではなく染料プリントを使用しています。
染料プリントならではの風合いと発色や線の再現性があり、日本のハイテクノロジーの粋のプリント技術と昔から受け継がれてきた生地処理加工の技術の恩恵でモノ作りができています。
職人さんの手仕事とは違う、デジタル技術もジャパンテクノロジーでの技術の粋だと思っています。
思うままに表現できる時代になっていることにワクワクします。
MarMu の着物のデジタルプリントで使用している生地は、日本の生地メーカーさんによって開発された着物に適したポリエステルです。
扱いが簡単なので着物をご自宅の洗濯機で洗うことができノーアイロンで着ることができます。
イージーケアは忙しい私には良い味方になってくれています。
今って簡単にオリジナルデザインできる時代になったんだなあ。
と、デジタル世代の恩恵を存分に受けて製作させてもらっています。
ありがたいことです。
デジタルで作った着物を数十年後に誰かが見る
MarMuのデザインの特徴はスカーフをモチーフにしていることで絵羽といって柄の繋がった着物になっていることです。
絵羽の着物って立ち上がる瞬間が楽しいです!
絵が身体のここに来たら着映えするんじゃないか?
そんな妄想が好きで、いつも出来上がるまでドキドキワクワクの時間で待っています。
デザイナーという仕事(も)していますが、
過去の着物のデザインを見ていると、今私たちが生み出しているMarMuの着物も数十年後の誰かの心躍る一枚になる日があるかもしれない、
その時はもう私じゃなくていい。
誰かにとってインスピレーションを与えるような衣服になれたら素敵だと思って、プレゼントする気持ちで作っています。
それまで着物がなくならないで続いていってほしい。
そう思う今日この頃です。
hataori blog by Mami Nakamura 中村麻美 / デジタルプリントで着物を表現すること