お茶会での着物について
みなさんご機嫌よろしゅうございます。
遠州流茶道 小堀宗翔と申します。
以前、hataori channelに出演したことがきっかけで、このhataori blogでもオフィシャルブロガーとして、茶道のことやお着物のことについて書かせていただくことになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
お茶会での着物のポイント
いよいよ師走も半分が過ぎてしまいました。
あっという間に年が明けてしまいます。
お正月といえばお着物をお召しになる機会が増えていきますね。
初詣、初釜、点初め(たてぞめ)、、、
そんな多くのシチュエーションがありますが、今日はお茶会でのお着物のポイントをお話します。
一般的にはお正月のお茶会では訪問着・付下げ・色無地・江戸小紋・小紋を着て、ある程度控え目な物をお召しになるよう言われております。
遠州流の点初め(初釜)では、華やかなお茶会ですので振袖やはなやかなお着物をお召しになる方も多くいらっしゃいます。
1月のお着物のお花としては、
松竹梅・(松)老松・若松・松菱・梅の古木・枝垂れ梅・槍梅・梅の丸・南天・柳(結び柳)・寒牡丹・福寿草・雪柳
が多く用いられます。
1月は新年を寿ぐお茶会ですので、
鶴・亀・丹頂鶴・折鶴・寒雀・梅に鶯・[吉祥文様]鳳凰、宝尽くし、宝船、扇面・[書初め]色紙、短冊・独楽・毛毬・寿文字・福文字
などのおめでたい柄がふさわしいです。
きものの模様は、あまり大胆な構図や大柄で派手な模様は周囲との調和を乱す恐れがあるので避けるようにしましょう。
これらのお着物にあわせる帯は袋帯。
錦織りの重い帯で、 吉祥柄、古典柄、名物裂など、いずれも格調の高い柄を選びます。
また、お茶会ではお着物の他にも、お道具を傷付けないよう、アクセサリーは全て外します。
同じ様に爪も、短く切り揃えておき、マニキュアなどは落としておきます。
髪の毛が襟にかかる長さの方は、すっきりとまとめ髪にします。
髪飾りは落ちてお道具を傷付けることがあるので華美なものや金具が付いているものは控えます。
お化粧に関してもお抹茶をいただくことを考え、口紅は落ちにくいタイプのものを使うか、ティッシュオフするなどして、お茶碗に口紅が付かないようにします。
そして、香水はお茶席では、控えるようにしましょう。
お茶会は「五感のパッケージ」
お茶会は「五感のパッケージ」です。
聴覚・嗅覚・視覚・触覚・味覚。
すべて刺激を与えます。
釜の煮え音、畳のすれる音、お湯を返す音、茶席に広がるお香の香り、炭、お抹茶、畳の香り。
美しく華やかなお道具や、歴史を感じさせるお道具。
それぞれが主張しすぎないようにバランスよく組み合わせられ、(これを取り合わせといいます)
実際にお茶碗やお道具を手にとって拝見できます。
そして極めつけは美味しいお抹茶でとても心が落ち着きます。
このように五感を揺さぶるお茶会では、お着物をお召しになる際も細心の注意が必要なわけです。
お茶会に行く時にはルールがいっぱいあるな、と感じてしまった方もいるかもしれませんが、
亭主が最高のおもてなしをご用意して下さっているからこそ、お客様としての「客ぶり」をも楽しんでみてはいかがでしょうか。
hataori blog by Sosho Kobori 小堀宗翔 / お茶会での着物について